患者さんのこれまでの歴史を縦糸、発病時点のきっかけや環境を横糸と考え、それぞれの人生や状況を一枚の織物のように俯瞰して治療の糸口を探します。
治療は、患者さんの状況に合わせて下記手法を組み合わせ行っています。
西洋医学的な診察、診断
東洋医学的な診察、診断(腹診や舌診など)
主に漢方薬を用いた薬物治療(必要な場合は西洋薬も用います。)
精神分析的視点による治療
つらい出来事や症状や病気は、今までのやり方ではもう無理ですよという心身からのメッセージだと思います。症状の意味を考え、自分の心や生活を見直すことが大切だと思います。ピンチはチャンスです。患者さんのお話からその方にあったアプローチの方法が見えてきます。
ゲップの出る前後のことを詳しく伺うと、その方が言いたいことを言えずに我慢した後にゲップが出る事がわかりました。診察場面でも治療者の顔色を窺い、治療者の言動に敏感に反応するために、理由を伺うと、父方祖母との同居のために父母の仲が悪く、小さい頃から、周囲の顔色を窺って生きてきたとのことで、自分が我慢することが身に付いてしまったようでした。
ゲップの症状は、言えないことを、身体がゲップとして外に出してくれる、いわば身体言語であったわけです。我慢しないでどのように言いたいことを心の外に出すかを患者さんと相談して、実行していただいたところ、ゲップが収まりました。